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深呼吸や過呼吸によって
なぜ症状が出るのだろうか?
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まず、そのメカニズムを理解するために人間の呼吸について考えてみましょう。
呼吸をすることによって、空気中の酸素を摂り入れ体内でできた二酸化炭素を排出しています。二酸化炭素は老廃物ですが、体内で重要な役割を担っています。すなわち、脳血流に影響を及ぼすのです。横軸に二酸化炭素の量を、縦軸に脳血流量をとると、二酸化炭素が増えると脳血流量は増加し、逆に、二酸化炭素が減ると脳血流量は減少することがわかっています。深呼吸をすることによって体内の二酸化炭素がどんどん排泄されるため、体内の二酸化炭素の量はどんどん減少します。
すなわち深呼吸や過呼吸をすることによって脳血流量はどんどん減少することがわかります。これは脳血管に異常がなくても起こっています。ここで、モヤモヤ病の症状の出現するメカニズムを理解する上で、次のお話をご理解下さい。
A子さんはもやもや病の子供で、B子さんは大脳に障害を持たない子供です。B子さんは脳血流が保たれているので100あったとしましょう。A子さんはもやもや病のため脳血流が70と低下していたとしましょう。2人とも同じ年齢で同じ体重同じ身長です。
安静にしているときにはいつまでも2人の血流は変わりませんが、もしある時点で過呼吸をするような動作、例えば、ラーメンを食べたとしましょう。ラーメンは熱いので2人ともフーフーして食べるでしょう。先程もお話ししましたように過呼吸をすると体の中の二酸化炭素が低下しますので脳血流も低下してきます。
仮に、ラーメンを食べ終わるまでに血流が30低下するとしましょう。B子さんは70まで低下します。一方A子さんは40まで低下するでしょう。ここで、一般的には脳血流が正常の半分すなわち50ぐらいになると脳の症状が出てくると考えられます。だから、B子さんは50まで下がりませんので症状は出ませんが、A子さんは最低40にまで下がりますので脳血流量が50をきる時点で症状が出てきます。
A子さんの脳で一番血流の低いところの症状がまず出るでしょう。例えば右脳の血流が悪い場合には左の手足の麻痺として、左脳の血流が悪い場合には右手足の麻痺や言語障害が出現します。A子さんは、脳血流が50を切った時点で症状が出てきますのでラーメンを食べるのをやめて過呼吸動作がこの時点で中止されるはずです。そうすると、体内の二酸化炭素は少しずつ回復し、脳血流もそれに伴い増加してきますので50を越えたところで症状がおさまるでしょう。すなわち、一過性の障害として出現します(専門的には一過性脳虚血発作と呼ばれています)。
ところが、過呼吸が長く続く場合には脳血流が50を下回った状態が持続しますので脳梗塞に陥る場合があります。すなわち、一過性か永続するものかは、この脳血流の50を下回った部分の深さと長さの面積に比例するでしょう。
具体的には、もやもや病で初めは一過性脳虚血発作であったものが後に脳梗塞になったり、逆も起こりうるのはこのためです。
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